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組織間の連携で顧客への提案を拡大

シュナイダーエレクトリック 代表取締役

青柳亮子

取材・文/大畑直悠 撮影/大星直輝

2025/06/02 09:00

青柳亮子

週刊BCN 2025年06月02日vol.2061掲載

 仏Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)が、AIデータセンター(DC)などへの需要の増加に後押しされてビジネスを成長させている。日本法人の青柳亮子・代表取締役は「組織間の連携で顧客への提案を拡大する」と語り、電力制御やUPS(無停電電源装置)といった製品を、事業部門の垣根を越えて提供する体制の構築を進めている。
(取材・文/大畑直悠  撮影/大星直輝)

AIDCが事業をけん引

――ビジネスの近況を教えてください。

 DC関連のビジネスなど、あらゆる領域で堅調に推移しています。要因としては、外資系のハイパースケーラーによる国内市場でのDC建設が加速したことで、当社製品にも機会が生まれています。加えて、昨今の生成AI需要の増加に伴い、AIDCへの引き合いも高まっています。

 高性能なGPUサーバーを利用するAIDCは、従来のCPUを主体としたDCと比較して、電力消費量や発熱量が膨大です。こうしたAIDC特有のニーズを満たす上で、当社製品が強みを発揮していることがビジネスをけん引しています。

――具体的にはどのような強みがありますか。

 AIDCでは特に、GPUチップに電力を供給するまでの一連のプロセスを指す「Grid to Chip」と、冷却システム(チラー)を活用するプロセスを表す「Chip to Chiller」が重要になり、当社はどちらのソリューションも持っている、世界で見てもまれな企業です。冷却システムに関しては、2024年に液冷技術を持つ米Motivair(モティベア)を買収してポートフォリオを強化し、プロセスの全てをカバーできるようになりました。

 当社では顧客のDC構築に設計段階から関わり、全てわれわれの製品でそろえるのがいいのか、他社の製品も利用するのか、すでに顧客が利用している製品を活用したいのかといった、要望に応じて最適な選択肢を提供できるようにしています。国内市場ではAIDCの設計段階から顧客を支援する部隊の拡充を進めているところです。

 米NVIDIA(エヌビディア)と連携したAIDCのリファレンスデザインの策定もしています。エヌビディアのチップと連携する当社のGrid to Chip、Chip to Chillerを担うソリューションを使えば、効率化されたAIDCを短期間で構築できる点も強みです。
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  • UPSの新規市場を開拓
  • 若い人材が変革を進める

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